英会話:挨拶を制す人は会話を制す

タイプ別最強学習法

今回は英語の挨拶について深堀していきますが、「英語の挨拶=初級」と思っている方にこそぜひ読んでいただきたいと思います。

実は英会話の中上級者の方でも挨拶に自信がない方は多く、英語力の自信や上達実感にも関連しているケースが見受けられます。挨拶を意識して練習、改善をすることでコミュニケーションの質の向上も見込めますので、ぜひご自身の挨拶をチェックしてみてください。

1.実は挨拶は難しい!

英語の挨拶は学校で最初に習うことであり、”Hello” なら誰でも言えるから簡単と思われがちです。しかし、いざ英会話で緊張してしまうのは挨拶が原因のことがあります。

それは挨拶にはただHelloと言い合う以上の、印象付けや個性を見せるなどのコミュニケーションが隠れているからです。そのためTOEICの点数が高い英語上級者のような方でも、慣れていないと挨拶に壁を感じやすいのです。

どんなに単語や文法の知識があっても、会話の最初で毎回躓いてしまっていては「英語が話せている」感覚は掴みにくいものです。躓きまで行かなくとも、なんとなく違和感があるという状態のままの方も多いのではないでしょうか?

初心者であっても上級者であっても、なかなか会話が自分から始められなかったり、ネイティブスピーカーとどこか壁を感じたりしてしまう方は、挨拶の改善を試してみると自信に繋がるかもしれません。

2.奥が深い挨拶

・挨拶はあなたの英語コミュニケーション力を語る

Hello やHi などの簡単な単語でも、声量があって明瞭な挨拶は相手に安心感を与えます。場合によっては挨拶の仕方で「この人は英語話せなそうだな」という判断をされてしまうことも多いです。まずは簡単な挨拶でも大きな声で自信を持って発することが大切です。”Hello…”といかにも私は英語に自信がありませんという風に挨拶してしまうと、聞き手からするとそれだけでコミュニケーションの責任が自分にあるように感じ、話すのが面倒になってしまうものです。相手に安心して心を開いてもらうためにも、まずは大きく明瞭な声でHi という練習をしてみましょう。

大きな声の挨拶は聞き手の印象だけでなく自分の発話にも有効です。大きな声を出すことで英語のスイッチを入れて自分の逃げ場をなくすことができます。「日本人らしく」英語を話すことは難しいことです。英語を英語らしく発話する起爆剤として挨拶を使うことで、その後の会話でも英語らしくは話し続けるように自分を律することができます。

 

・挨拶で個性が出る

挨拶はとりあえずHello, how are you と言えばよいと覚えておくことは、応急処置的にはよいのですが、忘れてはいけないのは挨拶が最初にあなたの個性が見られる場面だということです。

日本語の挨拶で考えても、全員が全員に「こんにちは」というわけではないと思います。人によって、話す相手によっても個性は様々です。「よう」「おっす」「お疲れー」など違う挨拶がその人らしさを表していないでしょうか?

そのような挨拶の場面に「このように言うべき」のような考え方を持ち込んでしまうと、それはあなたの英語ではなく、借りているもののような気がしてしまうと思います。それも多くの学習者が挨拶で躓きを感じてしまう一つの原因になっていると考えます。

・真似をしよう

自分の英語を話すためには自分が言いやすい挨拶を見つけることが必要ですが、どのように自分用の挨拶を習得・選択すればよいのでしょうか?

自分用の挨拶の見つけ方は、ズバリ「真似」です。

私たちが日本語を話せるようになった過程には、必ず真似がありました。気づかぬうちに周りの大人の口癖や、自分の性格に合った言葉を取捨選択して現在に至っているはずです。特に日本語の一人称(わたし、ぼく、おれ、うち、あたし)には種類があり、この選択がその人の特徴になっている傾向があります。

英語ネイティブも同じように真似をして育ってきて、彼らの性格に合った英語を話しています。それは挨拶も同様です。

しかし私たち日本人は英語を学校で文字から学んだので、真似する対象がいませんでした。文字から入ったがゆえに英語に性格や個性がない状態に陥っているのです。さらにやっかいなのが、英語が日本語よりもシンプルな構成なゆえにイントネーションでニュアンスを伝える機会が多いということです。イントネーションは文字だけでは伝わらないので、誰かが話しているのを真似るより他ありません。

そこでお勧めの方法は、映画などを「登場人物が人に話しかけるシーン」に注目して観てみることです。様々な性格の登場人物がどのような相手にどのように話しかけるのかが学べます。言葉選びやトーンに注意しながら見て真似をすることで、相手や自分の性格に合った挨拶の仕方が学べるはずです。特にどんなタイプの登場人物がどのような言葉で挨拶するかということに注意してみましょう。Hello, Hi, Hey, Yo など最初の一言も色々ありますので、自分流の言い方を映画の登場人物と重ね合わせて習得してみてください。

3.Howの質問に強くなる

ここまで最初の一言のお話をしてきましたが、その後に待ち受けているのはHowで始める質問です。

How are you?

How have you been?

How was your weekend?

など色々ありますが、ここでも冒頭の一言目と同じように、何を言ったらいいものかと緊張してしまう方も多いのではないでしょうか?

・How are youの攻略

英語で会話を始める際、必ずと言っていいほど聞かれるのがHow are you?です。Howは直訳すると「どのように」になるので、How are you?は「調子はどうですか」となります。これをそのまま真面目に受け取って「ええと、今日は…」と真剣に答えようとする方が多いですが、実はこれは日本語で言う「元気?」に近いものと捉えて流すのが正解です。

日本語で「元気?」と言われたら、実際どうかは考えず「元気元気」などと言って会話の本編にすぐ入っていくと思います。英語のHow are you?もこれと同様で、「これから話そうよ」という挨拶程度に行われるものなのです。How are you?と言われたら、”Good, and you?”程度に流すようにしてみると気持ちが楽になります。

その流し方はやはり文字から学ぶよりも、前章でお伝えした映画などから実際の会話を真似すると自然に身につくでしょう。

How are you の変化型、”How was your day?” (今日1日どうだった?)や久々に会ったときに出てくる”How have you been?”(どうしてた?)も基本は同じように流すイメージで答えて大丈夫です。

・How was 〇〇?の攻略

少し話が進むと出てくる”How was 〇〇?” 「〇〇はどうだった?」も答えにくい方が多い印象です。この手の質問で求められている答えは「〇〇だった」と結論を言うことなのですが、日本語のコミュニケーションとは大きく違うので難しく感じている方が多いのかもしれません。

先程の「流す」という手法を用いて、以下の2文のセットで答えることをルールとしておくと”How was 〇〇?”に答えやすくなります。

①まずどうだったか結論を言う

②なぜそう思ったのかを付け加える

例:How was the movie? (映画どうだった?)

①It was boring. (つまんなかった)

②The story was not interesting and it was too long.(ストーリーもいまいちだし長すぎ)

 

このように必ず①結論+②理由のセットで発言する練習をすることで、何を言っていいかわからなくなることは少なくなっていきます。

 

・感情の形容詞を制する

ここで多くの方に問題になってくるのが、まず結論から伝える部分です。結論は日本語では最後に出てくるため、最初に言い切ることが難しく感じられます。英語では言い切ることが求められているのですが、日本語ではそもそも言い切るような結論を言わないで済ませている方も多いのではないでしょうか?

例えば旅行先のホテルがよくなかった場合、「ホテルがね、部屋も暗くて、ベッドも狭くて、なんかね」と言っても日本語であれば聞き手が「ああ、この人はこのホテルが嫌いだったに違いない」と想像をするのですが、英語ではそうはいかず、話し手が「どう感じたか」までを話さないと伝わりません

この「どう感じたか」をスムーズに言語化できるようになっておくと、英語のコミュニケーションは格段に楽しく、楽になります。

It was 形容詞. 〇〇だった

I felt 形容詞 〇〇と感じた

I got 形容詞. 〇〇になった

上記のような文を最初に伝えることで、後の情報処理がスムーズになり、話しやすくなります。そして、この形容詞を選ぶときは日本語では言い慣れない分、少し誇張して言うイメージを持つとよいです。

旅行先のホテルがよくなかった場合は以下のように言い切ってから理由を付け加えます。

“It was awful! The room was dark and the bed was so small.”

(最悪だったよ。部屋は暗いし、ベッドは狭いし。)

 

これだけでもAwful という視点からすべてを話すことができ、聞き手は余計な推測をしなくて済むので聞きやすくなります。話し手は話を少し面白くするために、あえて誇張したawfulを使って聞き手を惹きつけています。これが英語の表現の面白いところです。

 

その他の例:

★How was your day? 今日はどうだった?

→ I got stressed out. ストレスだった。

★You visited your hometown! How was it? 帰省したんだってね!どうだった?

→ It was so relaxing. とてもリラックスできました。

★How was the school reunion? 同窓会どうだった?

→ Actually, I felt a bit nervous. 実はちょっと緊張してた。

 

もし次に英会話をしたときにHow was 〇〇?と聞かれたら「少し面白くしてやろう」と思いながら若干誇張した表現で言い切ることから始めてみてください。驚くほど相手を惹きつけ、会話に臨場感が生まれるはずです。

 

・自分からHowの質問で話しかけてみる

Howの質問に答えることは重要ですが、自分から同じ質問もできないと対等なコミュニケーションを取ることができません。そして対等なコミュニケーションをとるためには「会話のコントロール力」を身に着ける必要があります。これは自分から話しかける、会話を始めてみることを通して初めて習得できます。どんなに受け応えが上手になっても、自分が話したい内容が話せず、聞きたい内容を聞けないままでは会話がモヤモヤして終わってしまうことになります。質問力=会話のコントロール力なのです。これを養うためにまずは挨拶のHow are you? から、自分が最初に言うことをゴールにしてみましょう。特に長年英会話の練習をしているけれど何故か上達実感が薄い方は、会話内で「自分から」がどれだけできているかを測ることが重要です。ネイティブスピーカーがどのように話を始めたりHow are youを言ったりするのかの情報をたくさん集めて、真似してみてください。

 

終わりに

今回は挨拶を攻略することが英会話にどのように影響するのかと、学習・練習方法をお伝えいたしました。ネイティブ講師との英会話のレッスンなどに行けば毎回挨拶をすることになります。イングリッシュビレッジには多くの講師が在籍しており自分で選択できるので、少し継続すれば初めて会う先生、いつも会う先生、久々に会う先生など様々なパターンでの練習が可能です。まだネイティブスピーカーと話した経験があまりない方はぜひ一度お試しください。

 

執筆者:

吉田 翔平 ― バイリンガル英会話コーチ

英会話コーチング歴6年 アメリカ在住2年

 

日本の外国語大学にて英米語を専攻、卒業後渡米。アメリカ在住時は日常生活やボランティア活動などを通じて現地の人々の信条や文化を学び帰国。18歳まで全く英語が話せなかったが、ネイティブスピーカーに深く受け入れられる存在になれた学習経験を共有したく英会話コーチになる。現在は帰国後出会ったアメリカ人パートナーと日米の文化を毎日すり合わせながら生活中。

 

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