上級者向け:「アップデート」ステージ攻略法
2026.05.03
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英語力のレベルは初級・中級・上級と分けられることが多いですが、実際自分がどこにいるのかを見極めることは意外と難しいものです。特に中上級になってくると自己評価と他者評価が解離してしまい、より一層学習の方向性が難しく感じられます。自分が今どのような学習段階にいるのかを知ると現状の課題を客観的に見ることができ、より効率的な英語学習ができるようになります。
今回は初級・中級・上級の境界線が明確になるように、わかりやすく以下のような3つのステージに分けてみました。
①「通じる/通じない」ステージ
②「自然/不自然」ステージ
③「アップデート」ステージ
この記事では英会話上級者といえる③「アップデート」ステージに関して掘り下げていきます。

1.英語の「アップデート」とは
・もう英語の「お勉強」は終える
このレベルまで到達された方は日常会話で英語表現に困ることは少ないはずです。もしかしたら非ネイティブであるために「まだまだ」と思うことがあるかもしれませんが、実際のネイティブとの会話では聞き返されることなどもほぼなく、伝えたいことはしっかりと伝えられるはずです。ここまで来られた方は、もう英語を「勉強」するという気持ちではなく、英語を実際に活用しながら「アップデート」をしていくイメージを持つことで、さらに英語力に自信を持つことができるでしょう。
・講師から「教わる」ことが少なくなる
このステージでは英会話で講師から何かを「教わろう」と思ってもあまり手ごたえが感じられないかもしれません。それは良い意味では英語力がバイリンガル並みに到達しようとしているサインです。英会話のレッスンから手ごたえが感じられなくなってきたら、英語を使って何かをしてみることで、新しい課題を発見することができる可能性があります。そして英会話のレッスンでは受け身で教わる意識から会話の中で自ら改善するための気づきを得る意識にシフトしてみてください。
2.この時期に課題と感じやすいこと
・難しいトピックがある
普段の何気ない会話では流暢に話せても、自分が話したことがないトピックに関してはそうではないと感じる経験があるのではないでしょうか?ここで一度自問していただきたいことは、「日本語でもそのテーマに関してスラスラ語れるか」ということです。日本語でも伝えることが難しいことを英語で伝えることは無理と思われるかもしれませんが、新しい日本語の言葉を覚えるときと同じように英語を吸収することで少しずつ解決するはずです。
・TPOに合わせた英語を使いこなすことが難しい
ある一定の環境でしか英語を話したことがないと、特別な気遣いが必要だったりする場面で困ることがあります。カジュアルな場面、フォーマルな場面、両方の場合で起こり得る課題です。普段どちらの英語を使うことが多いかによって何を勉強すればよいかは変わってきます。英語を沢山読み聞きする機会と、量だけでなく質の面でもインプットのリソースが多岐にわたるように意識するとさらにバラエティに富んだ英語が吸収できるかもしれません。
・ジョークなどが理解できない
テレビ番組などを見たとき、みんなが笑っているが何が面白いのかわからないことがフラストレーションになっていないでしょうか?ジョークや比喩などを理解するという能力は実は英語学習のステージでは最後の方に位置しています。ジョークを理解するためには、冒頭でお伝えしたように英語の「お勉強」から離れたアプローチをしていく必要があります。言語学習にフォーカスしすぎるのではなく、様々な場面で英語圏の文化的な側面に目を向けることが、この難しい課題の解決の近道です。

3・課題の対策
対策1:慣れないジャンルの単語や表現をあえて学ぶ
日常の会話は困らなくなっていても、自分が巻き込まれていないネイティブ同士の会話の理解が難しかったり、特定のトピックになると話せなくなってしまったりすることがあります。この場合は自身の英語力を責めるのではなく、別のジャンルの英語を「アップデート」していくと解決するかもしれません。
具体的にはまずは自分が苦手なジャンルを明らかにして、それらについて浅く広く学んでおくことが「何となく話についていく」ためには効果的です。ジャンル分けは職業の業種で考えるとわかりやすいかもしれません。(医療、不動産、サービス、金融、教育、芸能など)苦手なジャンルを見つけたら、それに関連するニュース記事などを読んで文脈と一緒に単語を吸収できるとよいでしょう。単語の日本語の意味を知っているだけだと即戦力になってくれない可能性があるので、必ず文と一緒に覚えるようにしましょう。
スクールに通われている方は様々な講師とお話しをして、趣味や前職などの情報を聞いて吸収する手もあります。興味を持ってたくさん質問するように意識するとレッスンからも多くを吸収できるでしょう。
対策2:自分とは少し違うタイプやジャンルの人の英語を聞く
英語に話し方の正解は一つではなく日本語と同じように様々です。TPOや話者、聞き手によって変わるのも日本語と同様です。アップデートステージまで到達したら英語の話され方の場面や立場による差異をさらに研究していくことで、場面に応じた英語をより使いこなせるようになります。この研究は対策1のような読み物からでもできそうですが、実際には話されている英語を聞いて真似する方が効果は高いはずです。話し手の立場や状況、性格、感情を理解した上で、どのような言い回しがあるのかを研究して集めていくことが大切です。
おすすめの方法はジャンルの違うドラマや映画などを見て、立場の違う人たちを研究してみることです。
①上司と部下が話すシーン
②先生と生徒が話すシーン
③初対面の二人が話すシーン(カジュアルvsフォーマル)
④悪役の話し方
⑤性格が違う登場人物の話し方
⑥喜怒哀楽がむき出しのシーンの英語
⑦謝罪するシーン など
対策3:英語圏の国々のトレンドやニュースなどを常に気にしておく
タイトルだけ見ると対策1と似ていますが、こちらでは英語の単語でなく、内容を理解した上でもっと文化的なことを吸収していきます。例えばテレビ番組のジョークなどでよくネタにされるのは政治的なことやセレブの不祥事、若者の間での流行、SNSでのバズりなどです。簡単に言ってしまうと、「英語圏でみんなが気にしていることを自分も気にする」ようにしていくことが近道と言えるかもしれません。最近ではトランプ大統領やその周辺人物の失言などが一部では非常にいじられやすいネタになっているのですが、それらを少し英語で見ておくだけでも誰かがその話をしているときに理解できるようになるはずです。トレンドと同時に、英語圏では誰もが知っている周知の事実や人物を知っておくということも、ネイティブスピーカー同士の会話やジョークの理解には大切です。
ひと昔前の「クレヨンしんちゃん」の映画を見ていると、昭和のスターの物まねのようなキャラが突然出てきて笑わせてきたりします。私たちは元ネタを知っているのでクスっと来てしまいますが、それをいくら語学としての日本語が堪能な外国人が見ても面白いとは思わないでしょう。私たちがアメリカのアニメ「The Simpsons」などを見ると同じようなことが起こります。アメリカのジョークが面白くない時は、英語力が足りないのではなく単純に何が面白いのかわからないという可能性が大いにあります。それは私たちがその文化で育ってこなかったために仕方のないことです。
先に「ジョークの理解は英語学習の最後」とお伝えしましたが、その理由は学習者が第2言語としての英語学習を卒業して「英語圏の土俵に乗る」必要があるからです。ネイティブ同士の内輪の会話についていけるような情報収集を自ら欠かさず行うようにすることが大切です。ジョークは説明されても面白いものではないので、自ら情報を蓄えておいて瞬時に理解をする準備をしていきましょう。
終わりに
今回は3部作のラスト、「アップデート」ステージについてお伝えしました。このステージまで来た学習者の皆さんはもう英語を使って生活にはほぼ困らないはずです。ここからはさらに英語圏の文化に馴染んだり、ネイティブスピーカーとより深い関係を築いたりするための努力をしていくことになります。日々英語を使って英語や文化を学び、使い慣れないフレーズを積極的かつ実践的に使う意識を持つようなアプローチを英語でもしていくことで達成できるでしょう。
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執筆者: 吉田 翔平 ― バイリンガル英会話コーチ 英会話コーチング歴6年 アメリカ在住2年 日本の外国語大学にて英米語を専攻、卒業後渡米。アメリカ在住時は日常生活やボランティア活動などを通じて現地の人々の信条や文化を学び帰国。18歳まで全く英語が話せなかったが、ネイティブスピーカーに深く受け入れられる存在になれた学習経験を共有したく英会話コーチになる。現在は帰国後出会ったアメリカ人パートナーと日米の文化を毎日すり合わせながら生活中。 |

