ネイティブ講師からより効果的に学ぶために
2025.06.01
現在ネイティブ講師のレッスンを受講している方の中には、「レッスンは問題なく受けているけれど、身になっているかわからない」「長く続けているけれど、上達が感じられない」というお悩みがある方もいるのではないでしょうか?もしかすると口コミなどでネイティブ講師の英会話スクールに関してネガティブな意見を目にした方もおられるかもしれません。しかしレッスンの受け方を見直すことでネイティブ講師とのレッスンで学べることが非常に多くなり、AIや参考書とは比べ物にならない量の情報と学習効果を得ることができます。
以前の「英会話レッスンを効率化!」という記事では、レッスンをご自身の発話を実践する場として利用することを提案いたしました。こちらも合わせてお読みいただきたいのですが、今回は特にネイティブ講師から更に知識を吸収する方法について考察していきたいと思います。
1.発音練習
「ネイティブ講師と英会話レッスンを始めてみたけれど聞き取れない!」とお悩みの方は、まずはご自身のリスニング力を上げていくことで上達を実感することができます。リスニング力向上のためにはただ英語を聞き流すだけでなく、自身の発音を改善していく必要があります。「自分がネイティブと同じように発音できることは聞き取れる」という法則がありますので、ご自宅での学習時間が取れるのであればシャドーイングなどもお勧めです。しかし今回注目したいのは、レッスンの効果的な使い方としてネイティブ講師から本場の発音を学ぶという方法です。
現在闇雲に会話しようとして何となくコミュニケーションを取ってレッスン時間が終わっているようであれば、レッスンの受け方を見直す必要があるサインかもしれません。
もし教科書を使用しているのであればその中から必ず音読の時間を取ってもらう、もしくは
講師と一緒に読める読み物を準備して、講師の後に続いて音読しながら発音練習ができるとよいでしょう。
その際講師にはしっかりと、
“I would like to improve my pronunciations. Please fix my errors.”
(発音を改善したいので、間違ったら直してください)
ということはしっかりと伝えておきましょう。そこをしっかりと伝えて意思疎通することも、英語でのコミュニケーションの練習となります。
音読練習の際には、講師の本場の発音を元に音読が自分流にならないように意識します。発音に関しては読みながら文字をずっと追うだけでなく、たまに顔を上げて講師の口の動きなどもしっかり観察し、同じ動きができるように真似してみます。英語の抑揚のメロディーをしっかり聞き、少し大げさなぐらいに真似することで英語らしいリズムや抑揚を体得することができます。
レッスン後に顎が疲れていれば、効果的な練習ができた証拠です。
また、レッスン外ではぜひ英語の音と日本語の音の違いを研究する時間を設けると効果的です。英語の音の数は日本語よりも遥かに多いです。英語の母音や子音の種類に慣れておくことで、音の違いに気が付きやすくなります。
2.確認をしながら会話する
発音が上達するほど、レッスン内で聞き取れるフレーズも増えていくはずです。しかしこの「聞き取れる」という言葉の定義には注意が必要です。「聞き取れる=相手の言っていることが理解できる」と定義してしまうと、その場での意思疎通はできてもフレーズや言い回しを自分の物にしていくことはできません。
講師が使ったフレーズを実践会話で使用できるようにするためには、「聞き取れる」の定義を「聞き取れる=理解して自分も同じ文が作れる」に変える必要があります。
例:
“What are you going to do this weekend?”
という問いに対して
「What とweekend が聞き取れたから、週末何するか聞いているんだな。」
とう理解しかできない場合
この場合、その場では問題なく会話が進行していきますが、細かい部分まで聞き取れていないのでこの疑問文を自分で実践使用することはできません。
そして、受講生がこのフレーズをやり過ごしてあたかもしっかり聞き取れたように振る舞うことで、ネイティブの講師には「理解している」とみなされてしまうことがほとんどだと思います。
そのため、自身の理解度に応じてもう一度言ってほしい場合や書き起こしてほしい場合は必ず伝えるようにすることが大切です。
“Could you say that again slowly?”(もう一度少し遅くいってもらえますか?)
“Could you write it down for me?”(書き起こしていただけますか?)
などはすぐに使えますので、次のレッスンで実践してみてください。
英語圏のコミュニケーションはローコンテクストです。ローコンテクスト文化では察してもらうことはあまり期待できず、言わないとわかってもらえないことがほとんどです。この文化の違いを認識しておくことでネイティブ講師とのレッスンでの学びを最大化することができます。英会話レッスン内における自分の希望を言ってみるだけで状況が大きく改善することがあります。前章の発音練習のリクエストと同様に、会話を止める勇気、もしくは練習内容を相談する勇気を持ってレッスンに臨むと期待以上の結果になるかもしれません。
工夫しながら「聞き取れる=自分で同じ文を作れる」に変えていきましょう。
発音やわからない時の聞き返し方法に関してはこちらの記事「英会話上級者になるためにはどうしたらいい? 中級と上級の間にある壁の壊し方」の3章にも詳しく載せておりますので、合わせてご参照ください。
3.講師の口癖を利用する
同じ講師のレッスンを何度か受講すると、その講師にレッスンの進め方の口癖があることに気づくはずです。レッスン冒頭のお決まり質問、次の話題に進むとき、教科書のページをめくるとき、あなたが褒められるときなどがその例だと思います。
もし何度も同じ講師のレッスンを受けているにも関わらず、上記の例から講師の口癖が1つも思い浮かばない場合は、観察して真似する意識をより強く持つことで簡単なフレーズを講師からそのまま吸収することができます。
こちらも2章で述べた「聞き取れる」の定義に関連しています。「聞き取れる=理解できる」になっている場合、自分が理解できたことだけで満足してしまっている状態で、「講師が発した言葉も真似すれば自分で使える」という事実が置き去りになっています。
講師の真似をしながら上達するには自分でも同じ文章を作れる必要があります。そのためには常に「今なんて言ったんだろう?」という疑問を持ち、一つずつ解決していくことが重要です。ぜひ2章でお伝えした「聞き返しフレーズ」を試してみてください。
また、理解はできるけれど身についていないフレーズに気が付くために、レッスン内で「脳内シャドーイング」することをお勧めいたします。
長い文章では難しいかもしれませんが、短い文であれば講師が言った後すぐに頭の中でその言葉を繰り返す癖をつけていきます。そうすることで、シャドーイングに成功したフレーズに関しては自分のボキャブラリーに加えやすくなり、失敗したものに関してはその場で聞き返すか、もしくはレッスン外での学習の課題にできます。
脳内シャドーイングを癖付けることで、会話をしながら
・理解も再現もできるフレーズ
・理解はできるけど再現はできないフレーズ
(理解はできるけど身に付かないフレーズはこれ)
・理解も難しいフレーズ
にフレーズをカテゴリー分けすることができます。
最終的には「理解も再現もできるフレーズ」が多くなるほど流暢さは向上します。ネイティブ講師のレッスン受講時には聞き返しフレーズを使用し、わからないことはできるだけ解決しながらレッスンを受ける意識を持つことでレッスンがより有意義に感じられるはずです。
終わりに
今回はネイティブ講師のレッスンをより効率的に受ける方法についてお伝えいたしました。受講生の期待と講師の教える内容が一致することでより意義のあるレッスンに発展させることができます。イングリッシュビレッジには講師経験豊富な講師がたくさん在籍しているので、EV受講生の方々はレッスンから英会話の学びを多く受けていると感じているかもしれません。しかし、その上であなたが学びたいことは何かを伝えるということにもぜひ勇気を持ってチャレンジしてみてください。あなたが必要としていることを読みとってくれる良い講師と出会うことはもちろん重要ですが、今回ご紹介した方法を使えば英会話レッスンがさらに有意義になることが期待できます。