英会話に使える単語とフレーズの覚え方

レベル別最強学習法

英会話の語彙力の増やし方に悩まれていませんか?単語帳を使って一つ一つの単語の和訳を覚えようとしてもなかなかうまくいかない、話そうとしたときに言葉が出てこない、会話の中で知らない言葉が多すぎて相手が言っていることが全く理解できない、このような方はたくさんいらっしゃいます。そのような問題は語彙力を増やそうとしたときに単語単位で覚えようとしてしまっている結果である場合が多いです。単語単位で暗記することは最も非効率的な語彙力の増やし方です。今回の記事では語彙力の増やす効果的な方法をご紹介します。

大きい塊で覚える

単語ごとに覚えていくと、文章を構成するときに単語単位で組み立てていかなければなりません。英語の文法に合わせて単語単位でパズルをしないといけなくなり余計に時間がかかります。また、文章を聞くときにも文章を単語ごとに分解する必要があり、一つずつ言葉の意味を理解していかなければならず、とても効率が悪くなります。

そこで、語彙を増やすために文章内の意味の塊を意識して、単語単位ではなくより大きい塊で覚えようと意識することが効果的になります。意味の塊の単位でどのように覚えていくか、以下から見ていきましょう。

 

チャンクを意識する

「チャンク」とは「塊」という意味ですが、文章の中の意味の塊の呼び方として使われることがあります。この「チャンク」をしっかりと意識することで、文章の組み立てがやりやすくなり、リスニングの時の文章理解のための処理速度が向上します。

分かりやすい「チャンク」は前置詞句です。前置詞句とは前置詞で始まる文章内の一部分のことです。この前置詞句を、前置詞とそのあとに続く名詞を別々ではなく、前置詞+名詞のチャンクで覚えることを意識してみてください。簡単に例を見てみましょう。

I’m at the office.

I’m in the office.

これらの違いは何でしょうか?両方とも「私はオフィスにいる」と訳すことができますが、“at the office”は地図上の位置としてのオフィスにいて、“in the office”はオフィスの建物の中にいる感覚を相手に抱かせます。

I’m near the office.

I’m by the office.

これらも「私はオフィスのそばにいる」と訳すことができますが、“near the office”はオフィスの近くに、“by the office”はオフィスのすぐ隣にいるといった感覚になります。前置詞が少し違うだけで似たような意味でもニュアンスは大きく変わってきます。上記は前置詞の例でしたが、以下のように前置詞の後の名詞で前置詞の理解の仕方が変わることも多くあります。

I got here with my friend. 友達と一緒にここに来た

I got here with my car. 車ここに来た。

自分が話す際は、どの前置詞をどの名詞と合わせて使用するか、それを別々に考えるだけでも追加で時間がかかります。また各々の前置詞と名詞の組み合わせをどのように理解すればいいかいちいち考えてしまうと理解に時間がかかってしまいます。

意味の塊、チャンクごとに意味を覚えることを意識することで、本当に会話に役立つ語彙力を身に着けることができます。それではチャンクの語彙力を鍛える一つの方法を見ていきましょう。

スラッシュリーディング

スラッシュリーディングとは意味の塊、チャンクごとにスラッシュを入れて意味の区切りを際立たせつつ文章を読み込むことです。実際に音読し、スラッシュの場所でしっかりと間をおいて、スラッシュとスラッシュの間のチャンクは一気に読み切ることを意識しましょう。上の章では意味の塊を見つけるのに前置詞がカギとなると書きましたが、関係詞や句読点も同様です。またこれらのカギが含まれない長い部分があれば接続詞や動詞がカギとなります。厳密である必要はありませんが、意味の区切りにスラッシュを入れて読んでいきます。

英文記事の抜粋を使ってスラッシュの入れ方を見てみます。

A new study has found / that the energy levels of music / affect / what we remember. /(中略)/ Music psychologist Safiyyah Nawaz / and neuroscientist Dr Diana Omigie investigated / how the tempo and mood / of songs affected / what people remembered / about their life.

(https://breakingnewsenglish.com/2508/250828-music-and-memory.html)

幾つか長いチャンクがありますが、試しにスラッシュリーでイングをしてみてください。英文は何でも構いません。自分の英語学習の目的に関連する本や記事などがあれば積極的に使用してみてください。

 

単語を分解して覚える

単語ごと暗記することが非効率的なためチャンクで覚えるという話をしましたが、今度はもっと小さな単位の話になります。言葉をパーツに分解することにより、一つの単語を調べるだけで複数の単語を学べたり、語源を認識することで言葉の幅が広がったりします。知らない単語を調べるときにひと手間加えるだけなのでとても効率的です。

それではどのように分解できるかを見ていきましょう。

 

接頭詞・接尾詞

英単語を見ていた時に似たような形をしている単語があることに気づかれたことはあると思います。言葉のよくある始まり方や、よくある終わり方、これらが接頭辞と接尾辞です。言葉の最初に付ける接頭辞と最後に付ける接尾辞の種類を認識していることで、言葉を分解できるようになり、効果的に知っている単語数を増やしていくことができます。

“incredibly”(信じられないほどに)という言葉を例に分解してみましょう。

In(否定)+credi(t)(信頼)+able(できる)+ly(ほどに)というように分解できます。

もしこの言葉を知らなかったとしても接頭辞と接尾辞の付け方を知っていたら、incrediblyを学ぶと同時にcredibly, incredible, credible, creditと合計5つ学べます。またここで使われていない接尾辞と接頭辞を知っていれば、creditor, discredit, などなど、どんどん組み合わせで広がっていきます。

接頭辞はprefix、接尾辞はsuffixと英語で言いますが、“English prefix suffix list”などと検索するとよく使う接頭辞と接尾辞のリストを見ることができます。事前によくつかうものを幾つか頭に入れたうえで様々な英語学習をすると効果的に単語数を増やして語彙力を強化していくことができます。

 

語源を調べて本質を理解

単語(有意語)には語源があります。この語源を調べること、また同時に例文をいくつか見てみることで正しく単語の意味を理解して単語の誤用を減らすことができます。また単語の中には複数の語源を持っているものもあります。そのため語源を調べることで同じ語源を使っている単語を沢山見つけることができ、さらにすでに知っているものと関連付けて覚えることができるので忘れにくく、語彙力の幅を広げることができます。

例を見てみましょう。

複数の語源を持っている単語を二つ知っていたとします。

Psychology = psycho(心理) + logy(学) = 心理学

Sympathy = syn(同じ) + path(苦痛/病) = 同情

これらの言葉の語源を上記のように知っていたとしたら、新たに知らなかった“pathology”という言葉に出くわした際に、path(苦痛/病) + logy(学) = 病理学 と理解できるかもしれません。

更に新しい単語に使われている語源を一つでも認識できたとしたら、新しい言葉を覚えやすくなり、語彙の幅が広がっていきます。syn を例にとると、synchronizeやsynthetic、symmetryなど、syn(同じ)を使う言葉はとても多く存在します。

新しい言葉を見て意味を調べるときに一手間を加えて語源を調べるだけで語彙力向上のための語源の知識も増やしていくことができます。ほんの少しの手間なのでぜひとも試してみてください。

 

まとめ

効果的な語彙力の増やし方をご紹介しました。単語ごとではなく、意味の塊(チャンク)ごと、単語内のパーツごとに覚える意識が語彙力向上のカギとなります。スラッシュリーディング、接頭辞/接尾辞を知ること、単語の意味を調べるときに語源まで調べること、これらは少しの手間を追加することと意識をすることで出来る学習方法です。今の英語学習に少し追加して試してみてくださいね。

 

執筆者:

辻 賢太郎 ― バイリンガル英会話コーチ

英会話コーチング歴8年 アメリカ在住11年 TOEIC990点

アメリカの4年制大学でApplied Computingの学位を取得。大学卒業後は日本のIT企業で7年勤務し、学生時代や業務内で英語を教えていた経験を活かすために英会話コーチに転職。海外在住経験やビジネスで英語を使った経験をもとに、英会話コーチとして200人以上の受講生の英会話目標達成をサポート。

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