スピーキング力を伸ばす3つの練習法
2025.09.08
目次 ー
現在成人している日本人の多くは中学校から義務教育で英語を学んできています。しかし、学校での英語学習は読み書きに重きを置いたものが多く、結果的に英語を聞くことと話すこと、特にスピーキングに悩んでいる方が多くいます。今回はすでに持っている英語の知識を生かしつつ英会話に役立つスピーキング力を自分で強化していく方法を幾つかご紹介いたします。
瞬間英作文
英語を話すためには英文を作れなければなりません。そして会話の中で英語を使うためには、英作文にスピードが求められます。そのスピードを鍛えつつ、語彙などの表現力も訓練できる方法が、瞬間英作文です。
まずは日本語の独り言を英訳
瞬間英作文用の教材もあるのでそちらを探して使用することもできますが、まずはお手軽に効果を期待できる自分の「独り言」を英訳元の教材にすることをお勧めします。日常の中で、また仕事の中で、自分が思ったことや感じたことを英語にしてみると、実際に自分が使う内容で英文を作ることを練習できます。
自分の思ったことを日本語でいいので1日3つ以上を目標にメモを取ってみてください。翌朝でもその日の夜でも、自分で決めた時間いつでもいいので、その思ったことを英訳してみます。文章の長さにもよりますが、できるだけ早く英訳して書いてみることを意識してみてください。英訳をする前に、元の独り言を英語にしやすい日本語に変換することも効果的です。日本語は主語を省略することが多いので、その点に注意します。日本語を英語にしやすい文章に変換することは、英語作文の瞬発力強化に役立ちます。
「傘を持って行かないと。」→「私は傘を持っていく必要がある。」
→”I need to bring an umbrella.”
文章の文法や語彙の正確性はAIを使って確認するとある程度は修正可能です。そしてそれらの文章を声に出していってみてください。
このようなエクササイズは習慣化することがカギです。毎日少しずつ文章作成の練習と語彙力の強化を継続することがスピーキング力強化の近道です。
言葉の入れ替えと追加
自分の独り言を英文にしてみたら、その英文を使って言葉の入れ替えや情報の追加ができます。
例文を使ってみていきましょう。
まずは入れ替えとして、名詞と動詞を変えてみます。
”I need to bring an umbrella.”→”He want to buy a car.”
ここでは代名詞をIからHeに、動詞のneedをwant、bringをbuyに、名詞のumbrellaをcar に入れ替えてみます。
そして形容詞と副詞を最低ひとつずつ追加してみます。
”He want to buy a car.” →”He definitely want to buy a new car.”
副詞のdefinitelyと形容詞のnewを追加しました。
このように文章に使われている単語を入れ替えて、さらに情報を追加するための形容詞と副詞を使用することで語彙力を鍛えられます。語彙力を強化することで会話の幅を広げるとともに、咄嗟の英会話にも対応する力を身に着けます。
Rapid fire questions
Rapid fire questionsとは、Question = 質問 を Rapid fire = 連射 するエクササイズです。”Rapid fire questions” でネット検索をするといくつも質問集が出てきます。質問集には様々な質問が含まれているので、以下のエクササイズを1日に3~5の質問に対して実施するなど、毎日計画的に実施することがおすすめです。
最初は質問自体を読み解くことも難しいですが、質問で使われている単語や表現を調べることも学習になります。
それではこのRapid fire questionsを使ってどのように効果的に学習するかを見ていきましょう。
すぐに答える
英語の質問の意味を理解できたら、すぐに声に出して回答します。これは文章でなくても問題ありません。理解した瞬間に答える練習をしておくことで会話時のスピードについていく訓練にもなります。
すぐに直接的な回答を声に出したら、その後文章にしてみます。例を見てみましょう。
What is your favorite fruit? (あなたの一番好きな果物は何ですか?)
→“Apples!” とすぐに回答。
→“I like apples.” と文章にして回答してみる。
上記は簡単な例でしたが、Rapid fire questionsでは簡単なものから難しいものまで様々な質問があります。このセクションの最後に幾つか質問の例を載せておきますので、試してみてください。
回答内容を説明してみる
質問に対する回答を文章で作ることができたら、追加で自分の答えを説明してみます。
直接的な回答→回答の理由→いくつか例を挙げる→結論
上記の順番で文章を作っていきます。
I like apples(直接的な回答)
because it is tasty and healthy(理由を述べる)
for example, it helps with obesity and hypertension.(例を挙げる)
So, I eat one apple every day.(結論を言う)
このような形の情報の出し方は、英語として理解しやすいものとされています。日本語は理由や例から述べることが多いですが、英語でそれをすると回りくどく回答を回避して言うように感じられてしまいます。直接的に答えてから理由を述べ、例を挙げてから結論を言う、という形に慣れるためにも、上記の流れの練習をここでしておくことがおすすめです。
Rapid fire questionsの例
Who is your favorite actor?
What is the worst movie you have ever seen?
Where would you visit, if you had the chance?
Where is the worst place you could get stuck?
The most annoying personality trait?
On a scale of 1-10, how much do you enjoy garlic?
What’s your favorite carb: bread, pasta, or rice?
Meat or vegetables?
What do you want to buy now?
If you could be any animal, what would it be?
While walking: Music or Podcasts?
How do you feel about your job?
What is the most challenging job you can think of?
What’s your favorite place to watch TV?
What time did you go to bed last night?
What do you think of space tourism?
What is the most beautiful thing in your life?
Where were you two years ago?
Would you like to live on another planet?
Which of your personality traits has been the most useful?
What is the most impressive thing you know how to do?
What advice did you get that was the most rewarding?
How many hours of sleep do you need?
What is your biggest addiction?
実践英会話
自分でできるスピーキング力向上のエクササイズをご紹介してきましたが、やはり実戦で会話力を磨くことはスピーキングを鍛えるためには必須です。最近ではAIなども会話の練習に使えるようになりましたが、会話は人と人がコミュニケーションをとるためのツールであり、そのツールの使い方に習熟するためには人と話す必要があります。しかし実際に英会話を実践する機会が少ない方も多くいらっしゃるでしょう。
そこでおすすめなのが英会話レッスンです。それも教科書からレッスンを受けるだけでなく、実践的に会話ができるレッスンの場が重要です。レッスンを、英語を話してスピーキング力を向上させるための機会として、正しく使用する方法を最後にご紹介します。
話す機会としての英会話レッスン
英会話レッスンを受ける際に「レッスン」であるということに囚われて、常に受け身の姿勢になってしまう方が多いです。もちろん、教えてもらう、という意識はレッスンを受けているからにはあると思います。しかし、繰り返しになりますが、スピーキング力UPに必要なのは実践的な英会話です。
実践的な英会話で必要なのは、会話に参加している双方もしくは全員が主導権を握りあう、持ち回りで会話の主導権を握るということです。会話の主導権を握ることは、会話の内容を誘導したり、必要な情報を聞き出したりすることであり、何も相手の尋問に答えているだけということではありません。
このように書くと難しく感じますが、フリートークができるレッスンの中で2つのことをすれば会話の主導権を、英会話の場において握ることが可能です。それは、話したい内容を最初に伝えること、そして質問をすることです。すでにフリートークができるレッスンを受講されている方で以下を試されたことがない方は、是非試してみてください。
まずはレッスン開始時に、”I want to talk about 〇〇 today.”と伝える。
“Do you think …” “What if …” “How can we …” などを使って質問する。
これだけでも会話の主導権を握り実践的な英会話の訓練になるはずです。最初は勇気がいることだと思いますが、是非試していてください。
まとめ
今回は、自分でできるスピーキング力を伸ばす方法と、スピーキング力を伸ばすレッスンの受け方をご紹介しました。沢山の日本人の英語学習者はスピーキングで苦労しています。しかし今回の記事の内容を習慣化して、できることから始めることで少しずつスピーキング力の向上を実感できるはずです。最初は効果が見えなくても確実に自分の力になっていくはずなので、あきらめずに続けてみてください。フリートークができるレッスンを探されている方はイングリッシュビレッジの無料体験へ。
執筆者: 辻 賢太郎 ― バイリンガル英会話コーチ 英会話コーチング歴8年 アメリカ在住11年 TOEIC990点 アメリカの4年制大学でApplied Computingの学位を取得。大学卒業後は日本のIT企業で7年勤務し、学生時代や業務内で英語を教えていた経験を活かすために英会話コーチに転職。海外在住経験やビジネスで英語を使った経験をもとに、英会話コーチとして200人以上の受講生の英会話目標達成をサポート。 |