発音が劇的に変わる!英会話のコツとは
2025.08.28
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英語の発音で悩んでいませんか?どう話しても伝わらない、いくら練習してもAIアプリにすら認識してもらえない。こんな悩みを持っている方は多くいます。発音は子供ならゆっくりと身に着けることはできますが、ネイティブに近い相手に伝わる発音を大人が学ぶためには英語の発音の原理を理解してから練習することが重要です。
今回の記事では大人が英語発音を身に着けるために理解していなければならない要素を開設します。これらの要素を理解したうえで発音練習をすれば恥ずかしくない発音を習得できるはずです。早速見ていきましょう。
1.発音の3つの要素
まずは英語の発音の3つの要素を認識することでそれぞれを意識的に訓練することができるようになります。3つの要素は、子音、母音、ごまかし、です。
子音
子音とは舌/歯/唇/喉などを使って息と音の流れを遮ることで発する音です。日本語には無い子音もたくさん英語にはありますが、口の形を各々練習すれば比較的早く正しい音を出せるようにはなります。そして反復練習をして会話の際にも自然にその形を作れるようにすることが習得の近道です。
母音
母音とは逆に発声を遮らずに出す、英語ではa, e, i, o, uのことです。日本語は「あ・い・う・え・お」の5つですが、英語では文字の組み合わせによって20種類存在します。4倍バリエーションがあるということを理解して、口を4倍大きく動かす意識が重要です。
ごまかし
「ごまかし」とは、文字通りではない音を発する(もしくは発生しない)発音方法のことです。子音の連結や脱落、母音の弱音が「ごまかし」にあたります。「ごかまし」を習得しているか否かが、ネイティブにとって聞き取りやすいかどうか、またネイティブの発音を聞き取れるかどうかに大きな影響を及ぼします。リピーティングやシャドーイングをする際に言葉の綴りに引っ張られずに音を忠実に真似る意識をすることが、「ごまかし」の習得には重要となります。
2.子音は口の形を覚える
子音は口の形を覚えること、特に舌の形を明確に意識することが日本語にない音を発声するカギとなります。今回は舌の位置を意識する必要があるしいを見ていきます。
舌の定位置
まずは、舌の定位置を意識しましょう。特に何の子音を発声していない時、舌を動かす必要がない子音(B, Kなど)を発声する場合はこの位置に舌を置いておくことを意識しましょう。舌の先が下の前歯の裏に触れている状態を維持してください。(後述しますが、これは前に出す母音を出すための舌の位置です。)
日本語話者の中には、普通に日本語を話しているときに舌が浮いていて口の中のどこにも触れていないという方が多くいます。この舌の位置で英語を話してしまうと、すべての発生にRの音が混ざってしまい、すべてが籠って聞こえてしまいます。日本語を話しているときでも舌を図の定位置に置いておくことを意識することで、きれいな英語発声の訓練になります。
THの位置
THの音はよく「サ行」として認識されていますが、「タ行」もしくは「ダ行」に近いです。下の図のように舌を出した状態で「タチツテト、ダディドゥデド」と言ってみてください。舌の上と上の前歯の間に息が少し漏れる感覚があれば、THは完璧に発音できています。
D,L,Tの位置
D,L,Tは大まかに言うと上の前歯の裏に舌先が触れている状態で発声します。DとTはほとんど日本語のダとタですが、少し強めに息を吐きながら発声することを意識すると英語の音になります。
Lは「ラ行」と思われがちですがラ行のように舌を弾くのではなく、舌先を上の前歯に当てた状態で息と声を出し始め、ただ舌を下におろすことを意識します。その際に唇を動かさないように注意するときれいな発声になります。そのために、例えばLOWと発音したい場合は先に唇をOの形にした状態で舌を上の前歯の裏に当てて声を出しつつ舌のみを下におろすようにします。日本語の発生は唇と舌と顎が連動するものが多いので、唇と舌を動かすタイミングをずらすことに苦労される方が多いですが、ゆっくりと反復練習をしてみてください。
Rの位置
Rの発音は特に日本人に難しいとされています。これも日本語の「ラ行」として認識してしまうと間違った発音になってしまいます。まず、Rは「ラ行」よりも「ワ行」に近いものと認識してください。
RUNの発音を例に考えてみましょう。この言葉をカタカナで表すと、「ラン」よりも「ワン」に近い音になります。まずは上の図のように舌を浮かして、舌の根元で喉をつぶすようなイメージで奥に引っ込めます。この時唇は、Wを言う時のように細くすぼめておきます。この時点から声を出し始めて、ウ~と唸ります。そして唇を開いて「ワ」という動きと同時に舌を最初の定位置に戻します。この時舌が上顎に触れないように注意してください。
日本語では使わない筋肉を動かすので最初は疲れますが、反復練習で筋肉と神経が育って自然に動かせるようになっていくはずです。
3.母音はとにかく口を大きく動かす
前述したように、英語の母音は日本語の4倍あります。綴りによってある程度見分けることもできますが、練習する際にはとにかく口を大きく動かすことを意識して、英語の音の真似をすることが重要となります。
英語の母音の重要性
実は子音よりも母音は重要です。母音の間違いによって、相手に聞き取ってもらえない、自分が聞き取れない状態が発生しています。例として、”brother”という単語を見てみましょう。日本語話者が間違えがちなRとTHが入っていますが、それらが言えなくても「ブラザー」と言えば大体伝わります。しかしRとTHを完璧に発音できても、Oを「オー」、ERを「エー」と間違えてしまい「ブローデー」となってしまったら全く別の言葉になってしまいます。
上記は極端な例ではありますが、母音の発音をしっかりと学ぶこと、そして正しく聞き取れるようになることがネイティブ発音への近道になります。次に、母音の正しい発声のコツをご紹介します。
顎の開きと舌の位置
母音には大きく分けて、口の前か奥、口を大きく開けるかあまり開けないかがあります。日本語の「ア」に該当する音を例にしてみてみましょう。
「ア」に分類される4音を見ていきます。
Bat 口を大きく開けて声を前に出す
But 口をあまり開けずに声を口の中にとどめる
Bot 口を大きく開けて喉の奥で声を響かせる
Bought 口を大きく開けて喉の奥で声を響かせ声を伸ばす
声を前に出すか奥で響かせるかを決める舌の位置は、下の図を参考にしてみてください。
日本語では使わないような口の開き方や舌の位置の意識が必要です。独学で学ぶ場合は試行錯誤が大変だと思いますが挑戦してみてください。具体的な矯正に関してはバイリンガルコーチに個別指導を受けることがおすすめです。
4.ごまかし方を覚えてネイティブ発音に
子音と母音を見てきましたが、各々に文字通りではない発声が必要となる「ごまかし」方が存在します。子の発音のごまかし方を意識して練習をすることで、ネイティブに近い発音を身に着けることができます。そして何より「ごまかし」を多用するネイティブの発音を聞き取れるようにもなっていきます。
連結・脱落
連結と脱落は主に子音の「ごまかし」です。
連結:子音で終わる言葉の次の言葉が母音で始まる場合、次の言葉の母音が前の言葉の子音を受け継ぐ
脱落①:子音で終わる言葉の次の言葉が同じ子音で始まる場合、子音が重なって一つになる。
脱落②:TやDの後に別の子音がくる場合、TやDが消えて、無音の「ッ」のような間になる。
例を見てみましょう。
連結:Not at all は、「ノタトー」(NO TA TALL)のような発音になる。
脱落①:I want to は、「アイ ワントゥー」(I wanto)となる。
脱落②:sadlyは、「サッリー」(sa–ly)となることがある。
他にも細かいケースはありますが、まずは上記のルールを意識することがおすすめです。
弱音
言葉の中でアクセントがついていない音が弱音化することはとても多くあります。
例えば、Parliament(国会、議会) という言葉を文字通り読むと、パーリアメントとなりますが、実際はパーラメントと発音します。Par にアクセントがついているので、liaが「ラ」に成り下がってしまっているということです。
この弱音は特に特定の音を発声しようとするのではなく、喉や口周りに全く力を入れずに声が漏れていく感じを意識してみてください。弱音に関しても綴りに引っ張られるのではなく、実際の音を聞いてそのまま真似することが重要になります。
まとめ
日本語と英語では発音が全く違います。そのため、日本語話者にとって英語を習得し流暢な英会話を身に着けることは難しいといわれています。しかしその音の違いをしっかりと理解したうえで練習することで必ず正しい発音を身に着け、ネイティブと遜色ない英会話を習得することは可能です。日本語と英語では使用する口周りの筋肉も違いますので、最初は筋トレだと思って挫けず練習してみましょう。
執筆者: 辻 賢太郎 ― バイリンガル英会話コーチ 英会話コーチング歴8年 アメリカ在住11年 TOEIC990点 アメリカの4年制大学でApplied Computingの学位を取得。大が鵜卒業後は日本のIT企業で7年勤務し、学生時代や業務内で英語を教えていた経験を活かすために英会話コーチに転職。海外在住経験やビジネスで英語を使った経験をもとに、英会話コーチとして200人以上の受講生の英会話目標達成をサポート。 |