英会話を続けられるモチベーション維持術
2025.09.21
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英会話上達の上で一番の大敵はモチベーションの低下です。
「1日〇時間の学習で必ず伸びる!」などの謳い文句は多いですし、実際に時間をかければかけるほど英語は上達していきます。しかし学生ならまだしも、社会人になってから英語を始めようとすると仕事の疲れや突発的な予定などに振り回され英語学習に時間がとれない日も多くあることでしょう。それでモチベーションが下がってしまい学習をやめてしまったら、英会話上達の道は閉ざされてしまいます。今回はモチベーションを維持しやすい学習法や環境の作り方をいくつかご紹介いたします。
1.上達に向けた計画
学習計画を立てずに見切り発車してしまうと、モチベーションが長持ちせずにすぐに学習から離脱してしまうことが多くなります。まずはモチベーション維持を念頭に効果的な計画の立て方を見ていきましょう。
200時間の中期的計画
英語の上達にはもちろん学習する時間をとるが必要です。定説では200時間の学習で上達が実感できると言われています。例えば、英会話初心者であれば200時間の学習で、全く英語を話せない状態から「相手の言ったことに対して短い文で応答できるようになる」というような上達が実感できます。個人差はありますが、200時間ごとに「前より話せるようになってきたかも」と感じる瞬間が来るということです。学習を始めても離脱してしまうケースはほとんど、この200時間まで待つことができなかったことが理由です。
この200時間を軸に考えると、「とにかく勉強してみる」期間を計算することができます。例えば1日1時間の英語学習で200日、つまり7カ月強継続できると上達実感が期待できます。もし「3か月後に海外出張がある」など早急に英語力を伸ばしたい場合は、1日の学習量を増やして調整するとよいでしょう。
上達を実感するために必要な時間の目安を知って学習計画を立てることで、心の準備をして臨むことができます。
短期的な目標も持つ
200時間の計画は立てられたとしても、200時間は長いと感じてしまうかもしれません。そのような場合は200時間の中期的な計画に加えて短期的な目標を立てることもおすすめです。「とりあえずこの章を終わらせよう」「とにかく1日3つ新しい表現や言葉を覚えよう」など、数分から数時間でできる学習内容を目標として立てていきます。これらの小さな目標を達成した際には、意識的に自分を褒めることを徹底してください。「自分で決めた範囲の学習を終わらせた。えらい!」「今日は3つの単語を使えるようになった。進歩した!」と、小さな短期的な目標達成を200時間積み重ねることで日々のモチベーションを保ちつつ中期的な上達を目指しましょう。
2.能動的な学習姿勢
中期的な時間目標と短期的な目標設定についてお話ししましたが、学習内容に気を配らずに学習のために時間を費やし小さい目標達成を目指すだけでは途中で途切れてしまうことがあります。意味のある学習を継続するためには、目的を意識した能動的な学習姿勢が必要になります。
能動的に学習内容を決める
自分の英語学習の目的にマッチした学習内容を選ぶことが能動的な学習に繋がります。ほとんどの日本人が学校で英語を学習しますが、多くの場合が与えられた教材を覚えたり訳したりするもので、自身を表現する機会はあまりないはずです。しかし英語で自己表現をしていく力が英会話学習における主な焦点となるべきです。
「目の前の単語帳の単語を全て覚える」というのは受け身の学習になりますが、「私がこれを言いたいけど表現を知らないから勉強する」は能動的な学習になります。学ぶべきとされている英語を完璧に覚えてから口に出すのではなく、「自分が言いたいことがあるから覚える」という順番で学習に取り組むことで単語や表現が定着しやすくなります。モチベーションを上手に維持するためには、自身で今必要な課題を理解した上で学習することが効果的です。「できたこと」に目を向けることができるように、英語でのコミュニケーションにおいて足りない部分を一つずつ潰していくイメージで学習するとよいでしょう。
例:(自分の課題 → 学習内容)
・昨日したことを上手に伝えられない → あらかじめ準備して単語などは調べておく
・講師が何か言った後の気まずい沈黙がつらい → 相槌の仕方を学ぶ
・自分はいつも答えるばかり → 疑問文の練習と質問をする目標を立てる
学習の内容を自分の目的に合わせて選ぶことでさらに上達実感を得ることができ、無駄を感じにくくモチベーションを維持しやすくなります。200時間の学習の中で最大限の効果を得るためには、「学習内容を能動的に決める」ということです。
3.取り組みやすい学習法を実践する
ある特定の効果的な方法を一定時間続けることができれば、英語力を短期間で伸ばすことは論理的には可能です。例えば1日3時間シャドーイングをするなどが一例ですが、その時間を確保し、さらにそれを毎日やり続けるモチベーションを維持することは現実的には難しいです。そこに難しさを感じる場合は、自分のモチベーションとスケジュールに合った学習法で長く続けていく必要があります。英語力は一夜漬けでは上達しないため、スポーツで基礎体力をつけていくような地道な毎日のトレーニングが必要です。
テキスト以外の学習方法も探す
もし「何をしていいかわからない!」という方は、とりあえず様々な学習法を探してみましょう。学生時代に使った単語帳やテキスト以外にもスピーキング力やリスニング力を伸ばすことができる方法はたくさんあります。特に自分が興味を持っていることと英語を結び付けた学習法で効果的なものが見つかればベストです。
私は音楽が好きでしたので、洋楽のタイトルから単語や文法を覚えたり、聞いて口ずさみながら発音を覚えたりしました。音楽は勉強をする気がなくても自然と聞いてしまうので、私にとっては最高の教材でした。
このように何か1つでも必ず毎日続けることができるものをベースに持ちながら、定期的に少し負荷のかかることにチャレンジしていけるとモチベーション維持に最適な環境と言えます。
YouTubeやInstagram、アプリなどから学習方法を探すことになると思いますが、情報の品質には注意が必要です。多くのYouTuberやインフルエンサーなどが独自の学習法を発信している時代です。中には英語力がそこまで高くない方もいらっしゃるので、信頼できる発信者からの学習法を真似していくことをお勧めいたします。またはコーチングなどを一度でも受講していただくと自身に合った学習法や負荷のかけ方が理解でき、自立した学習者になることができますのでこちらもお勧めです。
テキスト以外の興味に合わせた学習法の例
・アプリ(文法・語彙など)
・スピーキング特化アプリ
・映画のセリフを意味と一緒に覚える
・洋楽をカラオケで歌えるようにする
・今日自分がしたことを詳細に日記に書いてみる
・英語学習者向けの簡単な洋書を読破してみる
・SNSでネイティブスピーカーの有名人をフォローしてみる
・SNSに一言日記を英語で投稿してみる
4.楽しく英語を使える場を設ける
ここまで自己学習を中心にお話ししましたが、学んだ英語を実際に使ってみて初めて学習内容は定着していきます。今まであまり英語を話す機会がなかった方はこれを機に英会話スクールに通い始めると学習のステージが進むでしょう。そして徐々にコミュニケーションが円滑になっていくことや、外国人とコミュニケーションを取ることが自信に繋がり、さらにモチベーションを維持しやすくなります。
また、実践的な英会話を自分の学習に組み込むことで、能動的な学習に繋がる課題も会話をしながら発見することができます。SNSを使った独学でも知識はつきますが、実際に英語でコミュニケーションを取ると起こる問題は経験してみないとわかりません。インプット(読む/聞く)とアウトプット(書く/話す)の両方をもって初めて十分な学習の形になります。
英会話レッスンは英語を学ぶ場ではなく、英会話を実践する場として捉えておくことが大切です。読んで覚えたり、音源を聞いてみたりすることは自分でもできます。それのインプット学習には自分で時間を取りつつ、英会話スクールなど英会話を実践できる場を設けることで学習の最大限の効果が得られます。
英会話レッスン以外で外国人と話す機会をお探しの方もおられるかもしれませんが、毎回安心して英語を使う場にできるわけでもないことも事実です。英語レッスン以外の場所で何度も失敗してしまうとモチベーション維持も難しいので、これから英語を学び始める方はまずは講師と練習することがおすすめです。基礎力を付けてから友達作りにチャレンジするのはいかがでしょうか。
終わりに
今回はモチベーション維持の方法について、自己学習とレッスン受講の面からお伝えいたしました。「継続可能な自己学習の方法を見つける+英語を話す場を設ける」ことがモチベーションを維持しつつ英会話学習を継続するカギとなります。イングリッシュビレッジでは本場の英語圏の講師とフリートークもできるので、英会話を実践する環境に最適です。体験レッスンも行っておりますのでぜひ一度足を運んでいただけますと幸いです。
執筆者: 吉田 翔平 ― バイリンガル英会話コーチ 英会話コーチング歴6年 アメリカ在住2年 日本の外国語大学にて英米語を専攻、卒業後渡米。アメリカ在住時は日常生活やボランティア活動などを通じて現地の人々の信条や文化を学び帰国。18歳まで全く英語が話せなかったが、ネイティブスピーカーに深く受け入れられる存在になれた学習経験を共有したく英会話コーチになる。現在は帰国後出会ったアメリカ人パートナーと日米の文化を毎日すり合わせながら生活中。 |