レベル別の “My English” という考え方
2025.03.10
英語学習者の皆さん、胸を張って「I speak English」と言えますか?私はこのフレーズに自信を持つことに時間がかかりました。中には数年の学習で自信を持ってこれを言えるようになる学習者もいますが、その秘訣は英語を「自分の物」として扱えるかどうかです。今回は学習のステージに合わせた “My English” とはどういうことなのかをお伝えしていきます。
1.初級のMy English
英語学習を始めたばかりだと自分らしい英語と言っても難しいかもしれませんが、挨拶時のような簡単な場面での言葉選びなども自分らしさを出す機会となります。
言葉選びがどのように自分らしさに影響するか、日本語で見てみましょう。
例えば私の弟は別れ際に必ず「じゃあ」と言います。本人はそれが口癖だとは気づいてないですが、それが私の弟なのです。もし彼が「またねー」や「さようなら」などと言ってしまうと、違和感を感じます。
この「違和感」は私たちの英語力の自信に影響します。英語の例をみてみましょう。
A: How are you today? 今日は調子いかがですか?
B: I’m fine, thank you. 良いです、ありがとうございます。
このような会話は学校の教科書では定番です。しかし「教科書に載っていたから」という理由でこれを使い続けてしまうのは、あなたらしさではありません。本当にこれでいいのかなと思いながら言っていませんか?
そこでMy Englishの考え方です。How are you と聞かれたらあなたならどんな雰囲気で返したいですか?その答えを見つけるために、いろいろなタイプの人が英語で挨拶するのを観察してください。初級のMy Englishは「観察と真似」から見つかります。自分が「これが私っぽい!」と思ったものを、自信を持って使ってみてください。すべて覚えてすべて使うのではなく、自分が言いやすいものを選択できることを覚えておきましょう。
2.中級のMy English
英会話に少し慣れて話すのが楽しくなってきた方でも、「I speak English」と自信を持って言えないことがあります。しかしそれはむしろ良いことで、初級の時には気にならなかった、ニュアンスが表現しきれないことが気になっている証拠でもあります。中級のMy Englishは「ニュアンス表現の幅」から見つかります。
例を見てみましょう。
A: What do you want for lunch?
B: I want curry for lunch.
Bさんですがしっかり自分の食べたいものを伝えることができています。しかし中級の方がもやもやしてしまうのは、この返答に遠慮などの感情があった時ではないでしょうか?
例えば
B: It would be nice to have curry.
と言えたら、I want という少し強い主張ではなく、やわらかい印象で同じ内容を伝えることができたはずです。
中級の方は同じ意味でも違った表現や遠回りの表現の幅を増やしていくことで、ニュアンスのこもった「あなたらしさ」が出せるようになります。ぜひたくさん洋書などを読んでインプットしましょう。話すのが楽しい分、もう一度机に向かうことは難しく感じるかもしれませんが、フレーズのインプットなしに上級に到達することは困難です。
中級から上級へのステップは総じて難しいものです。ビジネスなどですぐにハイレベルな英語が必要という方は、プロの講師との学習をお勧めいたします。
3.上級のMy English
険しい道のりを乗り越えて上級レベルに到達された方でも、時々失敗して自信を失ってしまうことがあります。ただ、それは本当に英語力の問題でしょうか?自分の不得意分野の英会話で苦戦する時に英語力のせいにしてしまうことはありませんか?
自分の英語を責めたくなったときは、一旦冷静になって日本語でも同じことが説明・議論できるかを考えてみましょう。大抵の場合、日本語でも難しいはずです。
上級のMy English は「得意・不得意分野を知る」ことで見つかります。
日本人がたとえ知らない日本語の言葉と出会ったとしても「ああ、私の日本語力・・・」とはならないはずです。なぜなら私たちは自分がネイティブだという確固たる自信があるからです。自分の行動や考えが英語で表現でき、仕事や得意分野について語れるようであれば、それはもうネイティブに近いレベルの英語力です。それがあなたのMy Englishです。そこまでの英語力をお持ちの方は、「英語学習」をやめて、日本語と同じように馴染みのないことを英語で学ぶイメージを持ちましょう。日頃から英語の媒体から情報を得る習慣をつけることで英単語のアップデートが可能です。もし英語力が下がってしまうことが心配であれば、新しく学んだことを共有できるような場(ネイティブ講師とのレッスン)などを積極的に設けてください。
終わりに
今回はMy English をテーマに「自分らしい」英語を話して自信を得るアイデアをいくつかご紹介しました。自分らしい英語を話すことができると、聞き手にもあなたがどういう性格なのかが伝わります。気の合う友達や恋人を英語で作ることなども夢ではありません。ぜひあなたのMy Englishを見つけてください。