独学で英会話習得する人の真実
2025.10.15
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楽器などもそうですが、何かを独学で極めることは険しい道のりです。英語学習においてはどなたでも正しい方法で学習時間をしっかり取れば独学での上達も可能です。この記事では誰に師事することもなく独学で英語を習得できる方の特徴をご紹介します。今回ご紹介する方法を真似していただけると独学での英語上達の糸口を見つけられるかもしれません。この記事では、そもそも英語が好きな方と、嫌いで苦手意識がある方の、2パターンをお届けいたします。
英語がそもそも好き
英語がそもそも好きということは学習継続においては大きなアドバンテージです。なぜならモチベーションの低下の心配が少ないからです。そして学習のためでなく、「好きだから聞いている、観ている」状態が日常で多ければ多いほど、必然的に英語に触れる時間も長くなります。そこまで英語自体が好きでなくても、好きなアクティビティを英語で行うことで英語好きに近づくこともできます。以下を参考に英語好きに近づけるアクティビティがあればぜひ実践してみてください。
いつも聞いて英語耳を育てる
英語を日常で聞く機会が多いと、英語独特の音に耳が慣れてきます。日本語と英語は、発音やリズムにおいて大きく違います。独学で英語の発音をマスターして聞き取れるようになる人は、この発音やリズムを完璧に真似してみようという意識が強いです。実はこの発音やリズムの違いが日本人のリスニング力の妨げになっているおり、これらをネイティブの音源と一緒に学ぶことによってリスニング力も自然と向上させることができます。真似しながら独学で上達できる人は、好きで英語を聞いているうちに無意識に英語耳を鍛えているのです。カタカナ発音を押し通して話してしまっている方は、自然な英語を常にお手本にする気持ちで真似してみるとよいでしょう。ただ少し一人で練習してみて、どうしてもネイティブの真似が難しいと思ったタイミングが独学卒業のタイミングです。放置しておくと将来の上達が滞ってしまう可能性があるので、一度プロの講師から発音やリズムのコツを教わることをお勧めいたします。
洋楽を聞く・歌う
英語耳を育てるために洋楽は優秀な教材となります。洋楽の歌詞を研究するだけでなく実際に口ずさめるようにしていくと、音の繋がりとフレーズのリズムが体得できます。曲を歌えるようにすることで、考えなくてもフレーズが口から出てくる状態を作り出す練習ができます。歌詞の意味を理解した状態で口ずさめるフレーズは会話の中でもスムーズに発話しやすいものとなります。洋楽に出てきたフレーズを実際の会話で聞いたり使ったりすることができるようになるという意味で、洋楽を使って英会話を「体得」することができます。
例えば、学校の教科書に載っていることも多いThe Carpenters の”Yesterday Once More” は、
“When I was young, I’d listen to the radio…”「私が若かった頃は、よくラジオを聞いたもの」
という一説で始まります。この歌詞を覚えて歌えるようになると、”When I was young, I…” というフレーズが口から出やすくなる上に、ネイティブと同じような発音で出せるようになります。これが考えなくてもフレーズが体得できているということです。試したことがない方はぜひ、一曲カラオケで歌えるようになってみてください。ちなみに最近流行っているアーティストの藤井風さんはほぼ独学で英語が話せるようになったということですが、幼い時から洋楽を聞いて真似して育ったと言っていました。
洋画/海外ドラマを観る
海外ドラマや映画をよく見て真似すると、話の流れと共に感情のこもった伝え方ができるようになっていきます。英語は日本語に比べて構成がシンプルな言語ですので、同じ文章でもイントネーションやトーンなどが気持ちを伝える上で重要な役割を果たします。短くて聞き取れるフレーズだけでも、画面の中の登場人物と同じトーンと発音、ジェスチャーも含めて真似してみると英語を英語らしく発話する練習になります。
また、辞書を引きながらの勉強だと単語の正しい使いどころに悩んでしまうことがありますが、ドラマや映画で使われている英語は本場の英語ですので、そこからコピーをしていくことで自分の英語が自然か不自然かで悩むことが少なくなっていきます。中学英語で習った単語の実際の使いどころを確認しながら観る意識が大切です。
例:”I can’t.” を「私はできません」ではなく「できっこないよ!」のニュアンスで言うにはどのようなトーンで言えばよいか、など
発音やリズムにおいてネイティブと同じように言えるようになったことは聞き取れるようになります。単語やフレーズが聞き取れるようになると聞いているだけでさらに語彙量が増えていきますので、発音練習は決して疎かにしないことをお勧めいたします。
英語はそもそも嫌い(苦手意識がある)
英語がそもそも好きな方が実践している方法をいくつか紹介しましたが、英語があまり好きではない方は四六時中英語に触れることは難しいかもしれません。しかし苦手意識がある方でも、正しい学習の方法と方向性で効率的に上達することが可能です。「こういうものか」と真似して覚えていくことが苦手な方や、論理的な学習が得意な方は効果的な学習法を使うことで効率的な上達が見込めるでしょう。
現状の分析力と調査力
独学でも着実に実力を伸ばして行ける方は自身の英語力の分析に長けています。「できない」で終わらせず、英語でコミュニケーションを取る上で必要なことと、そのために自分がしなくてはいけないことに気が付きやすいのが分析が得意なタイプの方の特徴です。そして自身が伸ばしたい項目を明らかにしたら、そこをピンポイントに伸ばす学習法を調査する能力にも長けています。この方法では闇雲な勉強をしない分、効率的に必要な英語力を伸ばしていくことが可能です。
例:ネイティブスピーカーの速い英語が聞き取れない
・聞き取れない原因を分析
・分析した内容を元に自分のニーズに合った練習方法を毎日必要時間数実践
(発音練習など)
・効果を会話実践しながら検証
正しい方向性の学習
例え英語が嫌いだったり苦手意識があったりしても、インプット・アウトプットのバランスが取れた学習法が決まった時間実践できればどなたでも上達は可能です。学んだ(インプット)ことを会話で使う(アウトプット)ことをしてみて、できなかったことを反省し次に生かすことが大切です。会話の中で難しかったことに気づき、分析し、解決できれば、一番効果的な学習と言えるでしょう。さらに詳しくは過去記事「英語学習に絶対必要な4項目のサイクル」も合わせてお読みください。
効率的な学習法は一人ひとりが最適な方法で英語習得をする助けになります。英語が好き方でも取り入れてみると更なる学習効果が見込めるでしょう。
独学でも話す相手は絶対必要
独学では発音や文法、語彙力は上達しやすいですが、会話だけは相手がいないことには実践することができません。英会話力向上にはインプットとアウトプットの両方の実践が必要不可欠です。そう考えると話す相手としてはネイティブ講師が一番に思い浮かぶかもしれませんが、「それでは独学ではない」というお声もあるかと思います。確かに講師から「教わろう」という気持ちが強ければ、それは独学ではないかもしれません。しかしフリートークができるスクールなどで完全にアウトプットの場としてレッスンを使うのであれば、それは独学の学習サイクルに入れると効果的です。
フリートークのレッスン
イングリッシュビレッジでは教材を使わない、完全フリートークのレッスンもご用意しています。日本国内で日常的に英語を使う機会はあまりないので、楽しく会話ができる環境として週1~2回フリートークのレッスンを受けることは英語の上達に大きく貢献してくれるでしょう。またレッスンの流れ全てを講師任せにせず、ご自身で学んだことや準備したお話を試してみる機会とすることで会話リードするためのトレーニングすることができます。
外国人の友達を見つけて英語練習をするという手もあるのですが、会話初心者の方にはあまりお勧めできる方法ではありません。なぜなら友情関係を築くための英語力がない状態で練習のためだけに外国人と会話しても、真の意味での友情は築けない上に、相手も「練習相手としか見なされていない」という印象を持ってしまう可能性があります。そのような事態を防ぐためにも、会話基礎の段階では英語講師にお任せするのが一番であると言えます。
効果的なフリートークのレッスンの受け方はこちらの記事をご参照ください。
終わりに
今回は独学で英語習得する人が行っている代表的なことをお伝えしました。独学をしていくには学習方法だけでなくタイムマネジメントも重要になってきます。過去の記事も読んでみていただきつつ、ご自身に合った学習サイクルを見つけて実践してみてください。またもしこの記事を読んで独学は難しそうと感じた方は、一度コーチングの体験に参加してみるとご自身の上達の道筋が明確になるはずです。ぜひご検討ください。
執筆者: 吉田 翔平 ― バイリンガル英会話コーチ 英会話コーチング歴6年 アメリカ在住2年 日本の外国語大学にて英米語を専攻、卒業後渡米。アメリカ在住時は日常生活やボランティア活動などを通じて現地の人々の信条や文化を学び帰国。18歳まで全く英語が話せなかったが、ネイティブスピーカーに深く受け入れられる存在になれた学習経験を共有したく英会話コーチになる。現在は帰国後出会ったアメリカ人パートナーと日米の文化を毎日すり合わせながら生活中。 |