短期集中で成果を出す英会話のやり方

タイプ別最強学習法

英語学習には時間がかかるものです。しかし短期で英会話力を身に付けなければいけない状況もあります。急な出張、海外赴任、部署移動などで急に英会話を身に着ける必要が出てきた、そもそも長期的に学習するのではなく少しでも早く英語を身に着けたい、そのような方も沢山おられます。世の中には様々な英会話習得メソッドがありますが、その多くは長期的な学習を前提としています。しかし明確な目的と目標を持ち、英語学習の要素を理解した上で目的に合った学習を実施することにより、短期的な英会話上達を目指すことは可能です。

まずは目的と目標の明確化について見ていきましょう。

明確な目的と目標

英会話の成果とは何を指すのでしょうか?今まで私がカウンセリングしてきた英語学習者の中の多くは、日常会話ができるようになりたい、ビジネスで英語を使いたい、留学がしてみたい、などの目的を持たれていました。しかし、何から始めるべきかわからない、始めたとしても上達が感じられない、などという悩みを持たれていました。このような悩みを乗り越えて短期で英会話力を向上させるには目的と目標の明確化が重要です。

 

英会話が必要な状況を細部までイメージする

日常会話、ビジネス英語、などフレーズとしては簡単に言えてしまいますが、これらを目的とするだけでは範囲が広すぎてどこから手を付けていいか分かりにくく、いざ始めたとしても手広くなりすぎて上達が見えません。何年もかければ漠然とした目的に含まれる範囲を網羅することは可能かもしれませんが、目的であるやりたい事/やらなければならない事を明確にすることで、短期的な学習方針や上達が見えやすくなります。まずはどのような状況で英会話を使用し、何を達成したいのかを細部までイメージすることで目的を明確化することが重要です。英会話を使用している状況を思い浮かべて、英会話が必要になる状況を思いつく限りリストしてみましょう。

2か月後に出張がある:

・空港:入管、荷物

・移動:地下鉄、バス、レンタカー

・ホテル:チェックイン、チェックアウト、トラブル

・仕事:ミーティング、プレゼン、会食

 

上記の例では仕事の出張のために英語が必要になるため、仕事の状況についてもう少し掘り下げてみましょう。

・ミーティング:

参加者6人(日本2人、アメリカ2人、イギリス1人、フランス1人)

日本2人は自分と同行者、その他参加者は自分が働いている企業の海外支社の担当者たち。

議題は支社ごとの状況報告と連携に関する協議。

・プレゼン:

聴衆はミーティングの参加者と同じ。内容は日本支社の状況。質疑応答アリ。

・会食:

ミーティング参加者とその家族。立食。各支社の担当者と個人的な環境を築きたい。

 

このように英会話でコミュニケーションをとる必要がある状況を会話内容や相手を含めて具体的にイメージします。もし実際にすぐに英会話が必要な状況がないとしても、自分が目指すものを無理やりにでも具体的にイメージいてみてください。この詳細にイメージした目的が学習目標設定の元になります。

詳細なイメージから目標を明確にする

目的としてイメージできた内容から目標設定することができます。この目標を明確にすることで、目的とはズレた学習に時間を使う必要がなくなり、自分の学習内容が実際に目的に向けた進歩になります。また目標があることにより自分の英会話力の短期的な上達を認識できるようになります。前述の例の仕事部分をとって目的に合わせた目標の例を見てみましょう。

・ミーティング:

参加者6人(日本2人、アメリカ2人、イギリス1人、フランス1人)

日本2人は自分と同行者、その他参加者は自分が働いている企業の海外支社の担当者たち。

議題は支社ごとの状況報告と連携に関する協議。

ネイティブ同士の会話を聞き取る。

会話に割り込んで自分の専門分野について意見を述べる。

・プレゼン:

聴衆はミーティングの参加者と同じ。内容は日本支社の状況。質疑応答アリ。

ネイティブに理解できる明瞭さと流暢さをもって話す。

専門分野に関する質問を聞き取り明瞭に回答する。

もしくは適切に回答を避ける。

・会食:

ミーティング参加者とその家族。立食。各支社の担当者と個人的な環境を築きたい。

内容や話し方を会話相手に合わせる。

簡潔に適切に自己紹介をする。

幅広い会話に対応する。

 

上記のように目的に合わせた目標、つまりできるようなる事」に落とし込みます。これらの目標を達成できるような学習内容を設定することが短期集中で英会話を上達させるカギとなります。

 

 

適切な学習内容の設定

短期的な上達に繋がる学習内容と方法を設定するためには上記の目標を元に考えます。しかしその前に全体的に効果的な英会話学習の基礎を理解する必要もあります。英語を英会話で使えるようにするための学習方針と、自分の目標に合わせた内容を選択することで、自分に最適化した学習内容を設定することができます。まずは全体的な英会話学習についてみてみましょう。

英会話学習の方針

まずはどのような内容でも役立つ英会話学習の方針を見てみましょう。英語を会話で使うことを考えると、英会話を以下の要素に分けることができます。短期で英会話の上達を達成するためには、この各要素の特徴を理解した上で自分の学習内容と照らし合わせて学習方法を決めることが必須になります。

リスニング:

・音声知覚:英語の音を言語/言葉として認識する。

・意味理解:認識した言葉の意味を理解する。

 

スピーキング:

・概念化:言いたいことを英語にしやすいように整理する。

・文章化:英文を作成する。

・音声化:英文を相手に理解できるように発声する。

上記からわかるように、会話は音で始まり音で終わります。日本の英語教育では、言葉の意味理解や文章化に時間がかけられているので、学生時代や独学で学んだ知識を生かすことが可能でしょう。一方で日本の英語教育では英語の音に重きが置かれていない傾向にあるため、短期的な成果を出すためには英語の音に関する学習が重要になります。

この英語の基本的な学習方針と自分の目標を組み合わせることで短期でも本当に成果が出る学習方法を設定することができます。

 

学習目標と基本方針を組み合わせる

英会話学習の目的から導き出した学習目標と英会話自体の各要素を考慮して学習内容を決定していきます。まず、各要素のために一般的に効果的とされている学習方法が以下となります。

音声知覚の強化:ディクテーション(書き取り)、リピーティング、シャドーイング

意味理解の強化:多読

概念化の強化:瞬間英作文、独り言英訳 (日本語を簡単な日本語に直してから英訳)

文章化の強化:瞬間英作文、独り言英訳(能動態と受動態の入れ替え、形容詞/副詞追加)

音声化の強化:リピーティング、シャドーイング、実践英会話

 

上記の汎用的な学習方法を自分の目標と状況に合わせてカスタマイズします。ここで特に意識するのは、教材を自分の目的に合わせて選ぶことです。

以下から例を見てみましょう。

学習目標:2か月後の出張で以下を達成する

  1. ネイティブ同士の会話を聞き取る。
  2. 会話に割り込んで自分の専門分野について意見を述べる。
  3. ネイティブに理解できる明瞭さと流暢さをもって話す。
  4. 専門分野に関する質問を聞き取り明瞭に回答する。もしくは適切に回答を避ける。
  5. 内容や話し方を会話相手に合わせる。
  6. 簡潔に適切に自己紹介をする。
  7. 幅広い会話に対応する。

学習内容:週25時間(2か月で200時間を目指す)

教材:ビジネス会話が取り上げられているテキスト、ニュース記事、小説、レッスン

A: テキストの音源を使用したディクテーション 

1日20~30分 / 週3時間

関係する学習目標:1、2,4、6

B: Aと同じ文章を使用してリピーティングとシャドーイング 

1日1時間 / 週7時間

関係する学習目標:1、2,3,4、6

C: 自分の専門分野に関する記事を英語で読む

1日30分~ / 週4時間~

関係する学習目標:2,4

D: ニュース記事や小説などを読む

1日 30分~ / 週4時間~

関係する学習目標:5,7

E: 毎日日記を英語で書く(日→日→英の変換、副詞/形容詞追加を意識)

1日30分~ / 週4時間~

関係する学習目標:2,4,7

F: 英会話レッスン

1回40分 or 60分 / 週2時間

関係する学習目標:すべて

今回は2か月後という短期の学習を例にしていることもあり、上記のように書き出すとやることが多く感じるかもしれませんが、これをさらに日々のスケジュールに落とし込み習慣化することで決められた時間内で目標に向けた進歩を実現することができます。なお、スケジュール化する際には週末にまとめてやるのではなく、できるだけ毎日同じぐらいの時間を英語に費やすことをお勧めします。

まとめ

自分の目的に合わせた内容の教材を使い、自分の目標にマッチした学習方法で十分な時間学習することにより、短期でも上達することは可能です。短期集中で英会話を身に着けることに楽な万能薬はありませんが、しっかりと時間をとって効率的に進めることで、短期でも上達を実現させてきた学習者は多くいます。自分に合った短期集中の学習について相談したい方は、プロの英会話コーチへの相談もおすすめです。

 

執筆者:

辻 賢太郎 ― バイリンガル英会話コーチ

英会話コーチング歴8年 アメリカ在住11年 TOEIC990点

アメリカの4年制大学でApplied Computingの学位を取得。大学卒業後は日本のIT企業で7年勤務し、学生時代や業務内で英語を教えていた経験を活かすために英会話コーチに転職。海外在住経験やビジネスで英語を使った経験をもとに、英会話コーチとして200人以上の受講生の英会話目標達成をサポート。

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