10年以上フランスに住んだ私のおススメ【イングリッシュビレッジ】
2023.12.12
パリ観光はグルメ、ショッピング、美術館巡りだけじゃない
Hi, 日本橋・新宿校のYukoです。
今日は、パリの公園について書きたいと思います。旅行で行かれる方にも参考になれば嬉しいです。特にお子さんと一緒に旅するとき、思い切り走り回れる地面はありがたいですよね!
パリの面積と緑地の広さ
パリは思いのほか小さく、面積にすると約105㎢。東京の大きめの区がふたつ分より少し狭いくらいです。
この中に、リュクサンブール公園やモンソー公園、チュイルリー公園、植物園など18ほどの公園が点在しています。
日本語で「公園」と言うと、四角な場所に砂場やブランコのある小さな広場も含まれますが、英語のparkやフランス語のparcは、入り口に立ったら向こうの端が見えないくらい大きなものを指します。遊具などが置いてある小さな公園は英語でsquareですね。
パリの公園は多くがせいぜい0.25㎢と、代々木公園の0.54㎢に比べれば半分くらい。とはいえ、それが東京のふたつの区に18個散在しているのですから、なかなか贅沢です。おまけに西のはずれには約8.5㎢のブーローニュの森、東のはずれには10㎢近いヴァンセンヌの森が広がり、住民や旅行者の憩いの場となっています。
ピクニックが好きなフランス人
暖かい季節なら、公園や森で一日中のんびりするのもいいですね。お散歩したり、ベンチでのんびり水鳥を眺めたり。子どもたちは鬼ごっこやかくれんぼに興じ、それに飽きたらメリーゴーランドに乗るのも楽しいでしょう。お昼はお弁当もいいですし、売店で何か買ってもいいですね。
そういえば、ディズニーランドが初めてパリ近郊にできたときは不評だったそうですが、その原因のひとつは、お弁当を持って行って園内で食べられなかったこと。もう一つはアルコールが飲めなかったことだと聞きました。
フランス人は戸外でサラダやサンドイッチを食べるPique-nique(ピクニック)が大好きです。
(フランスで売っているチキンサンドにはマヨネーズがたっぷりかかっているので要注意。フランスの本格派(?)マヨネーズはけっこう胃にもたれます。万人向けはハムチーズ・サンド「ジャンボン・フロマージュ」やクレープといったところでしょうか)
パリ観光のトイレ事情
長く公園にいる場合に困るのは、お手洗い。特に子ども連れだと大問題です。日本のように、どこにでも清潔なトイレがあるというわけではありません。カフェやレストランならもちろんトイレがありますが、入場無料の公園ではあまり見かけません。あったとしても、広い公園に一か所だけであったり、汚かったりします。デパートの売り場や小さな駅にもトイレはありません。
最近は町に、コインを入れると自動で扉が開くカプセルのようなトイレが設置されています。が、中にいるとき故障したらと思うとちょっと怖いですね。自動公衆トイレに入るときは、携帯電話をお忘れなく。パリ全体で400ほど設置されているようです。
近隣のカフェに行くのもひとつの方法です。大きなカフェのトイレには管理人がいるところもあります。コインを投入すると扉が開く形式のところもありました。
水は貴重です。
お手洗いが有料になっていない場合は、もちろん何か注文する必要があります。
公園によっては、芝生の上などに犬の落し物があるのでそれも気を付けましょう。パリはヨーロッパでもその点で評判が悪いです。フランスの飼い主はどういうわけか、愛犬の落し物を拾わない人が多数派です。愛が足りないのでしょうか?(私はもちろん、毎日拾っております)
有名ブティックが立ち並ぶ通りや、パリ中心部にある公園はさすがに大丈夫ですが。
歴史あるパリの公園
まぁいろいろありますが、パリは戦争で焼失することのなかった古い都で、京都と東京が一緒になったような魅力があります。パリ観光というと、歴史を感じさせる街並みやルーヴルをはじめとした美術館、有名ブティックでのショッピングやグルメが定番ですが、公園にもそれぞれ謂れがあります。
パリの公園で一番古いのはコンコルド広場とルーヴル美術館の間にあるチュイルリー公園で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。FIAC(国際現代アート見本市)の舞台でもあり、ファッションウィークにもイベントが開かれます。
普段は普通にお散歩できる公園ですよ。かつては宮殿もあったそうですが。
ルーブル美術館方面から入るといつも観光客でごった返していますが、コンコルド広場の入り口は普段それほど人はいません。入口近くに園芸用品を売る小さなお店もあります。入ってすぐ大きな水盤があります。周りに椅子が並べられていて、皆思い思いにくつろいでいます。
「チュイルリー」という名前は、宮殿が建てられる前にここでチュイル(フランス語で瓦)が作られていたから。今のチュイルリー庭園の元を作ったのは、アンリ2世の未亡人カトリーヌ・ド・メディシスでした。メディシスをイタリア語読みするとメディチ。そう、カトリーヌはメディチ家の生まれで、イタリアからフランスにお嫁入りした王妃です。チュイルリー公園には、彼女が幼少期を過ごしたフィレンツェの庭園の面影があると言います。
チュイルリー宮殿が作られたのは、宗教戦争が吹き荒れた16世紀のこと。夫の死後政治に携わっていたカトリーヌは、カトリック教徒とプロテスタント教徒の融和を図ろうとして、両者を招いて会議を開きます。しかし話し合いは決裂。戦争はカトリーヌの手に負えなくなってしまいます…
そのせいで彼女は歴史に汚名を残すこととなりました。しかし今では、名君ではなかったにせよ、暴君でもなかったという評価が主流のようです。
小さな自然を楽しむ公園
元はといえば、ごく一部の人々のために造られた庭園でしたが、今はだれでも楽しむことができます。パリのど真ん中にあって、観光スポットにも近く、まさに都会のオアシスですね。庭園といっても特に印象的な花園があるわけではなかったと思います。それでも、季節ごとに表情を変える木々や水の反映、広々とした空間は心安らぎます。
ショッピングや美術館、教会巡りに疲れたら、公園でのんびりするのもいいかもしれません。跳ね回る子どもたち、肩を寄せ合う恋人たち、ゆっくり散歩するお年寄り、彫刻の上で羽を休める小鳥たち、みんなそれぞれに今を楽しんでいます。
Have a great day!
Yuko
#パリ観光 #フランス旅行 #ヨーロッパ #チュイルリー公園 #海外旅行